ACAMSのプレジデント兼CEOであるNeil Sternthal氏と、ハリウッドで開催されたカンファレンスの出席者からのメッセージ
先週、金融犯罪対策(AFC)の専門家がフロリダ州南部のハリウッドで開催されたACAMSカンファレンスに集まり、コンプライアンス規制の動向、人工知能(AI)、制裁措置、詐欺および犯罪ネットワーク、法執行機関(LE)と金融機関のパートナーシップ、疑わしい取引報告(SAR)、暗号資産、現在の世界の不透明な地政学的情勢などのさまざまなトピックについて、各分野の専門家による議論を傾聴しました。
ACAMSのNeil Sternthalプレジデント兼最高経営責任者(CEO)は、4月20日の歓迎の挨拶の中で、30年前に始まったこのカンファレンスが、専門家が独自のAFCにアクセスし、業界の他の人々と知識を共有する場を提供していると述べました。
Sternthal氏は、「犯罪者はネットワークを持っているかもしれませんが、我々にもネットワークがあります」と話しました。また、「(カンファレンスで)共に学んだことを共有し、それを我々のネットワークに取り込む」ことは、AFCコミュニティが犯罪者の一歩先を行くのに役立つと聴衆に語りました。
米国財務省のテロ資金供与対策担当次官補であるJonathan Burke氏は、Sternthal氏に続いて基調講演を行い、セッションの出席者と知見を共有しました。Burke氏は、コルレス・バンキングが米国の銀行にリスクをもたらしていることに言及する一方、顧客リスクの決定的な重要性を強調し、顧客が何をしているかを金融機関が真に理解する必要性に焦点を当てました。

米国財務省、テロ資金供与対策担当次官補のJonathan Burke氏
Burke氏は、強力なマネー・ローンダリング対策/テロ資金供与対策(AML/CTF)の枠組みを維持するために重要なポイントとして、リスクベース・アプローチの提供、業務の有効性の確保、変化するリスクに適応するためのイノベーションの強化などを挙げました。
月曜午前の基調講演後にカンファレンス内で実施された特別プレゼンテーションでは、トラウマインフォームド(トラウマに配慮した)技術開発組織Parasol Cooperativeのサバイバーリーダー兼CEOであるMegs Shah氏が以下のように語りました。「(私の仕事の)多くが始まったきっかけは、25年以上にわたり、技術者として多数のFortune500企業のために技術製品を開発してきたことでした。さらに、子どものころに性的虐待を受けたサバイバーでもある私は、個人的な体験と職業上の体験から、コロナ禍の間に重大な岐路を迎えました。家庭内暴力の事案が増加する中、私の頭の中でこのような疑問が浮かんだのです。『テクノロジーを利用してサバイバーの支援を改善できないだろうか?』」
Parasol Cooperativeのサバイバーリーダー兼CEO、Megs Shah氏
4月21日のACAMSカンファレンスの基調セッションでは、ACAMSのソートリーダーシップ(AML、制裁措置、詐欺)担当エグゼクティブバイスプレジデントのJustine Walker氏と、金融活動作業部会(FATF)の経済犯罪および制裁措置担当ディレクター兼バイスプレジデントのGiles Thomson氏が対話しました。
Thomson氏は、FATFの次期会長として何に取り組んでいきたいかを尋ねられ、次のように回答しました。「今後2年間で、FATFを利用して、我々全員がハリウッドで話してきた課題のいくつかに対処できることを心から願っています。大きな優先事項は、リスクベース・アプローチのさらなる適用を通じて、米国、英国、およびFATFのすべての加盟国・地域が有効性を高めるための取り組みを支援し、我々の体制の有効性を改善することです。」
ATFの経済犯罪および制裁措置担当ディレクター兼バイスプレジデントのGiles Thomson氏
火曜午後のセッション「未成年だが甘く見てはならない:新興若者グループによる金融犯罪の脅威」では、Western Unionの金融インテリジェンス責任者であるScott Apodaca氏が、参加者がこうした傾向について知るのに役立つものは何かという質問に対して、次のように回答しました。「二つの点についてお話します。第一に、問題の複雑さを理解することです。ただし、複雑すぎる方法で対処してはなりません……単純な要素[に対処しましょう]……[例えば]基準となるレッド・フラッグや、顧客の身元の把握です。この問題がダイナミックに進展し、急速に変化していることを理解してください。[しかし]問題を過度に複雑化しなくても、アラートプログラムや調査は開始できます。」

Western Unionの金融インテリジェンス責任者、Scott Apodaca氏
4月22日の最後の基調プレゼンテーションでは、ACAMSのAML担当シニアディレクターのCriag Timm氏による司会の下で、米国司法省刑事局司法次官補のAndrew Tysen Duva氏が聴衆に次のように語りました。「あなた方は目であり、耳でもあります。あなた方は貿易ベースのマネー・ローンダリングを目にしています。米国の金融システムがどのように利用されているかを知っています……新しいツールが現れるときはいつでも、一方に良い側が存在し……他方で悪い側や邪悪な側が存在します……両側に多くの優れた人材がいます。この部屋の優れた人々には、預金の複雑なパターンや、米ドルから暗号資産やステーブルコインへの変換を[法執行機関と]ともに特定する機会があります。」

左から、ACAMSのAML担当シニアディレクターCriag Timm氏、米国司法省のAndrew Tysen Duva氏
同日午前の基調プレゼンテーション後に開催されたセッション「カルテルからコンプライアンスへ:新たな麻薬取締時代のAML」では、米国司法省サクラメント麻薬取締局の副特別捜査官であるRyan S. Sibbald氏が、SARに関してAFC専門家の聴衆に次のように語りました。「初めに結論を述べ、最初に言いたいことを言ってください。なぜなら、[法執行機関は]返信として12件のSARを受け取る場合があるからです……我々はこれらのSARに目を通し、後で重要な部分を把握する[必要があります]。そのため、必ずしも多ければ良いとは限りません。重要なのは…[レポートの情報の]背景にある強力な文脈です。」

米国司法省サクラメント麻薬取締局の副特別捜査官、Ryan S. Sibbald氏
カンファレンスの最終日午前の別のセッションでは、作家のJason Blazakis氏が、司会のJustine Walker氏からの「今後3~5年で最も懸念している問題は何か」という質問に対して、次のように回答しました。「私はカルトに関する意見記事を執筆しています...…一部の人々は、[AI]と大規模言語モデルを神として崇拝する集団を形成しています。このテクノロジーと宗教の融合、そしてそれがカルト的な行動や活動という観点から何を意味するのかは、私にとって深い懸念事項です。さらに、すでにいくつかの暴力行為も起きています……もし人々と非常に関係が深い特定のLLMの電源を断ったとしたら、こうした人々はどう反応するでしょうか。私にとって、それは興味深い課題の一つです。」
ACAMSのハリウッド・カンファレンスは、水曜日の「ニュース速報:ACAMS MLDCによるAML/AFCの最新動向の紹介」というセッションで締めくくられました。セッションの主なポイントは次の通りです。
- 暗号資産などに関わるオンライン詐欺や不正行為はますます巧妙化しており、金融機関や規制当局による総合的で進化したアプローチが必要となっています。
- ブロックチェーンやゼロ知識証明といったテクノロジーを使用した安全なデータ共有など、改良された金融犯罪データインフラストラクチャの開発は、犯罪者に勝つために必要不可欠です。
- 現在の改革は、規制要件の合理化と、責任あるイノベーションの促進を目指しています。
最後に、ACAMSのハリウッド・カンファレンスでは、今日のAFCを巡る状況の複雑さと緊急性の両方が強調されました。規制上の要求が高まり、新たなリスクが従来の統制に試練をもたらし続ける中、議論を通して、立ち止まるという選択肢は存在しないことが明確になりました。我々はAI、制裁措置、SARの最適化、犯罪ネットワークの抑止に関する知見を思慮深い方法で共有し、イノベーションと適応性がAFC専門家にとって必要不可欠なスキルになっていることを浮き彫りにしました。
ACAMS Today編集スタッフによる報告
Karla Monterrosa-Yancey、CAMS、編集長、kmonterrosa@acams.org
Ben Bahner、CAMS、編集者、bbahner@acams.org
Ana Acuna、ウェブプロデューサー、aacuna@acams.org
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