ACAMS Todayは、Kaufman Rossinの調査部門責任者であるRaymond (Ray) Villanueva氏にインタビューしました。同氏は、世界的なマネー・ローンダリング対策(AML)や調査の専門家であり、マネー・ローンダリング、詐欺、テロ資金供与、制裁・関税回避、内部調査、顧客確認(KYC)、顧客管理(CDD)、強化された顧客管理措置(EDD)の改善について顧客に助言し、リスクの管理と軽減を支援しています。同氏は、30年以上にわたる経験があり、金融機関、フィンテック企業、デジタル取引所、マネー・サービス業者(MSB)に対し、AMLや銀行秘密法(BSA)、米国外国資産管理局(OFAC)のコンサルティングサービスの支援において、業界をリードしています。例えば、過去取引の遡及調査、顧客ニーズに応じた研修の実施、リスク評価、KYC/CDD/EDDレビュー、高リスク案件に関する法務・規制調査などを行っています。2022年にKaufman Rossinに入社して以来、同氏は、米国、中央アメリカ、南アメリカ、カリブ海地域で、小規模な民間銀行から大手の多国籍金融機関まで、幅広い金融機関に助言してきました。
Villanueva氏はKaufman Rossinに入社する前、米国上級公務員として、ワシントンD.C.の国土安全保障省捜査局(HSI)の特別捜査官を務め、500人以上の捜査官が所属するチームを率いていました。同氏はHSIの国際業務局の局長も務め、世界53ヵ国以上におけるHSIの捜査や外交上のグローバルな取り組みを統括していました。また、同氏は、金融活動作業部会(FATF)の米国代表団のメンバーでした。同氏の見解は、金融ニュースや専門誌、書籍、金融犯罪類型報告書などで取り上げられ、その中にはFATFが採用したものも含まれています。同氏は、国内外の重要課題について、議会で何度も証言してきました。

ブルーリッジ・パークウェイ

US 1(国道1号線)を経由してブラックスバーグへ

ノースカロライナ州

ジョージア州サバンナ

フロリダ州道A1A号線

同僚であるAFCの専門家とハリウッドで開催されたACAMS総会に出席したRay Villanueva氏
ACAMS Today (AT):ACAMSの視察をバイクでの「現地監査」に見立てるというアイデアは、どのようなきっかけから生まれたのでしょうか?
Raymond Villanueva(RV):それは、AML/BSAの枠組みが、実は私たちが人生をどのように歩んでいくかという哲学そのものであるという気づきから始まりました。初日、バージニア州北部からブルーリッジ・パークウェイに向かう途中、私の「実地監査」は、私なりのKYC(Know Your Child:子供を知る)で幕を開けました。路上の「リスク」に目を向ける前に、まずは自分の家の「コンプライアンス」に目を向ける必要がありました。特に、バージニア州ブラックスバーグに立ち寄って、娘とランチを楽しんだり、出かける前に父親としての「デュー・ディリジェンス」を果たす姿を見せたりすることが大切でした。これは、私たちが仕事で求められる規律や配慮、つまり、相手が誰で、何を必要としているかを理解することは、家庭にその原点があるということを思い出させてくれました。この旅を監査に見立てたのは、デュー・ディリジェンスや観察という原則が、金融システムであれ家族であれ、私たちにとって大切なものを守るうえで欠かせない手段であることを示す私なりの方法でした。
AT:バージニア州北部からハリウッド、フロリダ州までの計画されたルートはどのようなものだったのでしょうか?
RV:「監査」は、東部でも指折りの美しい山々の景色を楽しめるブルーリッジ・パークウェイの高所からの検査から始まりました。そこからノースカロライナ州シャーロットへと下り、歴史ある国道17号線を南下してジョージア州サバンナへと向かいました。最後の区間で、代表的なフロリダ州道A1A号線を走ってメルボルンを通過し、最後は海岸沿いを走ってハリウッドに向かいました。
AT:途中、一部の区間に参加した人たちのために、予定していた休憩や集合場所はありましたか?
RV:もちろんです。私はLinkedInで、バイクを持っていて、冒険心にあふれるAMLの専門家の方々に向けて、旅の一区間に参加するよう呼びかけました。「EDD」というよりは、バイクに乗ることに伴う自由な感覚を共有することに重点が置かれていました。その後、私の親友であり同僚でもあるAda Cohenも加わりました。総会では、最高のネットワーキング体験ができました。AMLや総会への旅程について話し合えたのです。
AT:このような取り組みは、AMLコミュニティが単なる業務上のつながりではなく、より人間味がある雰囲気を醸成するのにどのように役立つと思いますか?
RV:バイクに乗っていると、静かで歴史ある南部の町々から活気ある海岸沿いの道まで、この国の驚くべき多様性が見えてきます。この旅は、私たちが監視している「データ」が、実際の人々や多様なコミュニティを反映していることを再認識させてくれました。山間部の冷え込みからフロリダの暖かさへの移り変わりのような、道中で体験した浮き沈みを分かち合うことは、私たちの仕事をより人間味あふれるものにします。私たちは皆、旅の途中にいて、すべての人のためにその旅の尊さを守り抜くことが私たちの使命であることを教えてくれます。
AT:ハリウッドでの総会に向かう遠征で、最も驚いたことは何ですか?
RV:たった数日で、これほど地理的にも精神的にも多くのことを成し遂げられることに、私は驚きました。ブルーリッジ山脈からジョージア州やフロリダ州の海岸まで、短期間で景色が移り変わるのを見て、「リスク環境」がいかに急速に変化し得るかを痛感しました。しかし、私を最も驚かせたのは、地域社会からの圧倒的な支持でした。「現地監査」というストーリーは、私たちの仕事に対する新たな視点を探していた人々の心に深く響いたのです。
AT:このような非公式な経験が、コンプライアンス人脈の強化に役立つとお考えですか?
RV:その通りです。最も洞察に満ちた「監査結果」は、歴史ある街の休憩所や食事の時間、そしてもちろん総会での会話から生まれるものです。このような非公式な経験は、私たちが普段働いている組織や部門の垣根を取り払います。バイクであれ、単なる旅好きであれ、共通の趣味や関心事を通じてつながると、メールのやり取りでは築けない信頼関係が育まれるのです。
AT:ACAMS総会のようなイベントは、参加者がこうしたエネルギーと創造性を持ち寄ることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
RV:創造性は、金融犯罪と戦う上で重要なツールとなります。悪意のある行為主体は常に新たな手口を取り入れているため、私たちも対策戦略において同レベルのエネルギーと好奇心を持って臨む必要があります。「バイクでの長旅」という心構えで総会に臨めば、私たちはより柔軟な姿勢で新しいアイデアに接することができ、協力し合いやすくなり、ハリウッドで議論される複雑な課題に立ち向かう準備が整います。
AT:コンプライアンスがバイクでの長旅だとしたら、最も重要な「交通ルール」は何だと思いますか?
RV:「両輪を地面に接地させた」まま、視線は水平線に向けつつ、常に車線内を走行し続けましょう。コンプライアンスでは、過去のデータというバックミラーや遠い将来の目標にとらわれてしまい、道を見失いやすくなります。しかし、最も重要な「ルール」は、目の前の状況や差し迫ったリスク、そして取引の背後にある人間の物語に常に注意を払うことです。そして、もちろん、常に誠実さを忘れずに走行しましょう。
インタビュアー:Karla Monterrosa-Yancey、CAMS編集長 ACAMS、editor@acams.org
AFC in Practice: AML/CFT監査 ― 有効性検証の実務